「車を売りたいけど、何から始めればいいのかわからない」
「書類がたくさんいるって聞いて、ちょっと面倒そう…」
車を売るのがはじめての人は、全体の流れが見えないと不安になりますよね。でも、やることを順番に並べてみると、意外とシンプルです。
この記事では、元中古車ディーラーのぼくが、車を売るときの流れを5つのステップに分けて、必要な書類と一緒にまとめました。
結論を先に言うと、車を売る流れは「相場を調べる→査定→比べて決める→書類と契約→引き渡し・入金」の5ステップです。 書類の多くはお店が用意してくれるので、自分で準備するものは思っているより少なめ。最初の「相場を調べる」をしっかりやるかどうかで、売れる金額が変わります。
車を売る流れは5ステップ
まずは全体の流れを見てみましょう。
| ステップ | やること | かかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 相場を調べる | 自分の車がいくらくらいで売れそうかを知る | 30分〜1時間ほど |
| 2. 査定を受ける | お店に車を見てもらい、金額を出してもらう | 1社あたり30分〜1時間ほど |
| 3. 比べて決める | 何社かの金額と条件を比べて売り先を決める | 数日ほど |
| 4. 書類をそろえて契約 | 必要な書類を用意し、契約書にサインする | 書類集めに数日かかることも |
| 5. 引き渡し・入金 | 車を渡し、お金が振り込まれる | 入金は引き渡しから数日〜1週間ほどが多い |
時間はあくまで目安です。早い人なら1週間くらいで終わることもありますし、書類の準備に時間がかかると2〜3週間かかることもあります。売りたい日が決まっているなら、少し余裕を持って動き始めるのがおすすめです。
ステップ1:相場を調べる
一番大事なのに、一番飛ばされやすいのがこのステップです。
中古車の値段は、市場の相場で9割が決まり、売り方で動くのは1割くらいです。でも、その1割の中でも、相場を知っているかどうかは大きな差になります。相場を知らずに査定に行くと、最初は20万円以上安く言われることもあるからです。
ぼくがおすすめしているのは、カーセンサーなどの中古車販売サイトで、自分の車と同じ条件の車の「支払総額」を調べるやり方です。支払総額とは、車両本体の値段と、登録などの諸費用を合わせた金額のこと。2023年10月からは、この支払総額を表示するルールになっています。
この支払総額から、お店の経費や整備代、利益、諸費用を引くと、お店が買える上限、つまり買取額の目安が見えてきます。くわしいやり方は 車の買取相場の調べ方 で解説しています。
相場を知っておくと、査定のときに出た金額が高いのか安いのかを、自分で判断できるようになります。
ステップ2:査定を受ける
相場の目安がわかったら、お店に車を見てもらいます。査定には、お店に車を持っていく「店頭査定」と、家などに来てもらう「出張査定」があります。
査定の前にやっておくといいことは、次のとおりです。
- 車内のゴミを片づけ、軽く掃除しておく
- 点検の記録(記録簿)や取扱説明書をそろえる
- スペアキーがあれば一緒に出せるようにしておく
- 事故で直したことや、不具合があれば、先に伝える準備をしておく
最後の「先に伝える」はとても大事です。あとで見つかると、契約後に金額を下げられる(減額)原因になることがあります。くわしくは 売却後の減額・キャンセルトラブル にまとめています。
ディーラー時代、査定に来られたお客さまで、記録簿を全部きれいにファイルにまとめて持ってきてくれた方がいました。点検をきちんと受けてきたことがひと目でわかるので、こちらも安心して金額を出せたのを覚えています。記録簿があるだけで、車の大事にされ方が伝わるんです。
ステップ3:比べて決める
1社だけで決めずに、3社以上に見てもらって比べるのが、高く売るための基本です。
比べるときは、金額だけでなく、次の点も見てください。
- 入金はいつか
- 契約後に金額が変わる条件(減額の条件)が書いてあるか
- キャンセルできる期限と費用
- 名義変更が終わったら知らせてもらえるか
何社にも声をかけるのが大変なら、一括査定を使うと、1回の申し込みで複数のお店にまとめて依頼できます。電話が多くなりやすいので、電話に出られる時間に申し込むのがコツです。
ステップ4:書類をそろえて契約
売り先が決まったら、書類をそろえて契約します。必要な書類は、普通車か軽自動車かで少しちがいます。
普通車の場合
| 書類 | どこで手に入るか・ポイント |
|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | 車に積んであることが多い |
| 自賠責保険証明書 | 車検証と一緒に保管されていることが多い |
| 印鑑登録証明書 | 市区町村の役所やコンビニで取れる。発行から一定期間内のものが求められることが多い |
| 実印 | 印鑑登録をしているハンコ |
| リサイクル券 | 車を買ったときにもらっていることが多い。なくてもお店で確認できる場合がある |
| 自動車税の納税証明書 | お店から求められた場合に用意する |
| 譲渡証明書・委任状 | お店が用意してくれることが多い。実印を押す |
普通車は、名義変更に実印と印鑑登録証明書が必要になります。印鑑登録をしていない人は、まず役所で登録しておきましょう。
軽自動車の場合
| 書類 | どこで手に入るか・ポイント |
|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | 車に積んであることが多い |
| 自賠責保険証明書 | 車検証と一緒に保管されていることが多い |
| 認印 | 実印でなくてもOKなことが多い |
| リサイクル券 | 車を買ったときにもらっていることが多い |
| 軽自動車税の納税証明書 | お店から求められた場合に用意する |
| 申請依頼書 | お店が用意してくれることが多い |
軽自動車は、普通車より書類が少なめで、印鑑登録証明書もいらないことが多いです。
必要な書類は、お店や車の状態によって変わることがあります。契約の前に、お店から「何を用意すればいいか」を書面やメモでもらっておくと安心です。くわしい手続きは、お店や運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)でも確認できます。
住所や名前が変わっている場合
車検証に書いてある住所と、今の住所がちがう場合は、つながりを証明する書類が追加で必要になります。
- 引っ越しが1回の場合:前の住所が書いてある「住民票」で、つながりを確認できることが多い
- 引っ越しが2回以上の場合:住所の移り変わりがわかる「住民票の除票」や「戸籍の附票」が必要になることがある
- 結婚などで名前が変わった場合:名前の変更がわかる「戸籍謄本」などが必要になることがある
どの書類が必要かはケースによってちがうので、車検証の住所と今の住所がちがうとわかった時点で、お店に相談してください。書類によっては取り寄せに時間がかかることもあるので、早めに動くのがおすすめです。
ローンが残っている場合
車検証の所有者の欄が、ローン会社やディーラーの名前になっている場合は、そのままでは売れません。ローンを払い終えて、名義を外してもらう手続きが必要です。多くの場合はお店が代わりに進めてくれます。くわしくは ローンが残っている車の売り方 で解説しています。
ステップ5:引き渡しと入金
契約が済んだら、決めた日に車を渡します。引き渡しの前には、次のことをしておきましょう。
- 車内の私物(ETCカード、CD、充電ケーブルなど)を全部出す
- カーナビに登録した自宅の場所や、スマホとの接続の記録を消しておく
- 任意保険(自分で入っている車の保険)の手続きを、保険会社に相談する
ディーラー時代、引き渡しのあとにお客さまから「ETCカードを入れっぱなしでした!」と連絡をもらったことが何度もありました。差しっぱなしにしやすいので、最後にもう一度確認してください。
入金は、車を渡してから数日〜1週間ほどのお店が多いですが、お店によってちがいます。契約のときに確認した日に、ちゃんと振り込まれているかを見ておきましょう。
自動車税の精算
普通車の自動車税は、毎年4月1日の時点で車を持っている人に、1年分がかかります。年の途中で車を売った場合、残りの月の分は、買取額に上乗せされるか、別で返金される形で精算されることが多いです。どういう形で精算されるのかは、お店によってちがうので、契約のときに確認しておきましょう。
軽自動車税には、月割りで戻ってくるしくみがありません。年の途中で売っても、その年度の分は戻らないと考えておいてください。
名義変更の確認
車を渡したあと、お店が名義変更の手続きをします。これが終わると、車は正式に次の持ち主のものになります。
名義変更が済んだら、新しい車検証のコピーなどで知らせてくれるお店が多いです。もしなかなか連絡が来ないときは、お店に「名義変更は終わりましたか?」と確認してください。名義変更が終わらないままだと、翌年の自動車税の通知が自分に届いてしまうこともあります。
まとめ
- 車を売る流れは「相場を調べる→査定→比べて決める→書類と契約→引き渡し・入金」の5ステップ
- 最初に相場を調べておくと、査定の金額が高いか安いかを自分で判断できる
- 普通車は実印と印鑑登録証明書が必要。軽自動車は認印でOKなことが多い
- 車検証の住所が今とちがう場合は、住民票や戸籍の附票などが追加で必要になる
- 自動車税の精算方法と、名義変更の報告は、契約のときに確認しておく
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